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あかねパパ(社長)のブログ

  • あかねパパ
  • 2016年11月1日
  • 読了時間: 3分

「黄色いコペン」

 先週新車を手に入れた。ダイハツ「コペン」という軽自動車だ。2シーターの軽自動車とはいえ自動開閉のコンバーチブルのカブリオレだ。軽自動車を買ったのは学生時代に中古のホンダZを親に買って貰った以来だ。当時は360ccで力も弱くクーラーなど勿論装備できなかった。それに比べれば隔世の感がある高級車だ。

 そもそも何故このような一見馬鹿な買い物をしたか…。それは8月1日のある出来事が引き金となった。

 当日午後、熊本のホテルで行われたN社長のお別れ会に参列した。N社長は私より1歳年上の64歳で、昔から知る物静かな人だった。私などより小柄で童顔で行儀もいい正に紳士だった。若い頃から社長を長く勤め、近年は熊本経済界の重責を歴任する人だった。熊本地震に対しても公職の責務を果たすべく忙しく動き回っていて、会議など活動さ中に話もしていた。私は出張先でN社長の訃報を聞き唖然とするばかりだった。私的にも高校の一年先輩、工業団地では現在私が勤める専務理事の前任者、ヨットマリーナでは我々の艇の隣に係留するヨットのオーナーと接点も多かった。

 N社長のお別れ会参列で遺影を眺めた時にふと思った、「俺もこういう風に世を去っても不思議ではない。仕事だけの人生に悔いはないのか」と。今まで行動や買い物もほとんどを仕事に繋げて考えてきた。もう全く仕事とは関係ない選択を敢えてやってみようか、人生たまには馬鹿なことを遣る勇気を出してみよう、と強くN社長の遺影を見て思った。実に真面目に生きた人だったからこそ尚更我が身に照らし合わせて考えてしまった。もう俺も還暦過ぎた。動けなくなる前にたまには気持ちを優先しようか、と勝手に思ってしまった。

 負け惜しみではないが決して金がないから軽自動車にしたわけではない。軽自動車という限定された開発条件の中でトコトン考えられたであろう車に興味があった。また、社長だからこそ、他の高級車を乗り回す経営者諸氏にセンスの美学で選ぶ車を見せつけたいとも思った。私には軽だからこそ価値がある。

 黄色と黒の派手な色を買った。社内の身近な諸君に色とオプションの選定は一任していた。走ってみてもなかなかいい車だ。足回りは固めで小気味よく走れるし排気音もスポーツカーらしい。但し、実に目立つ。今までのように荒っぽい運転ではたちまち悪評が広がる。この車で走るときは紳士的に模範運転を心がけたい。

 どうせヒマに乗り回す時間も気力もない、通勤に使おうかとも思っているがさてどう楽しもう。乗ってみたい人あれば機会を提供する。違った技術やモノには好奇心と関心を示す社員諸君であってもらいたい。

 
 
 

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